さくらさく

目に入る日差しにも、漂う空気にも、春を感じるようになりました。
街のあちこちが淡いピンクに染まるのも、もう間もなくですね。

通学路の長く続く桜並木。突然の風が舞い上げる桜吹雪、水面を埋めつくす花びら。
名もない道端でライトアップされてもいないのに芒と発光するような夜桜。
天然記念物に指定された銘木は映像でしか見たことがありませんが、
荘厳とも雄麗ともいえる立ち姿に画面越しでも肌が泡立ちます。 濃淡枝ぶりさまざまな、桜の景色が次々と浮かんできます。
開花から散っていくまで、ふだん草花に興味がない人でさえ変化を見守り見入ってしまう。
こんな花、桜以外に思いつきません。
誰もの記憶の中に「桜アルバム」が何冊もストックされている。
１枚１枚にしっかりと思い出が伴っているのは、変化の多い季節の背景としてセットされているから。

１本の桜の木には、10万輪近い花が咲くそうです。