四十八茶百鼠
江戸時代、庶民のぜいたくを禁止する「奢侈禁止令」の下、紅や紫など華やかな着物が禁止された町人たちは、茶や藍など地味色のバリエーションを増やすことで色を楽しんだ。なかでもグレー系は多彩で、100以上の色が生み出されたという。
紅梅のような「梅鼠」。藍を混ぜた「藍鼠」。深川の芸妓衆が好んだという「深川鼠」に、銀のような上品な明るさを放つ「白鼠」。薄墨を混ぜたようなペールトーンから重厚な暗色まで。あらゆる色相を掛け合わせることで、庶民の色を“粋な流行色”に進化させた。
その繊細な色彩感覚も、もちろん素晴らしい。でも、もっといいなと思うのは、お洒落をあきらめない心意気。したたかというか、ちゃっかりしているというべきか。御上の言いつけに素直に従う態を装いつつ、実はどこ吹く風。
そのエネルギーこそを、見習いたいと思う。
紅梅のような「梅鼠」。藍を混ぜた「藍鼠」。深川の芸妓衆が好んだという「深川鼠」に、銀のような上品な明るさを放つ「白鼠」。薄墨を混ぜたようなペールトーンから重厚な暗色まで。あらゆる色相を掛け合わせることで、庶民の色を“粋な流行色”に進化させた。
その繊細な色彩感覚も、もちろん素晴らしい。でも、もっといいなと思うのは、お洒落をあきらめない心意気。したたかというか、ちゃっかりしているというべきか。御上の言いつけに素直に従う態を装いつつ、実はどこ吹く風。
そのエネルギーこそを、見習いたいと思う。