読まれない本の功績
壁一面を覆い尽くす書架に強く憧れる。
でも現実は、引越し好きの賃貸派。本のスペース問題が解決される日はまだ遠い。
そこで、数年前に電子書籍リーダーを導入した。スタートは大変によい感じ。常に数十冊の本を携帯している状態が楽しくて、ちょっとした移動時間にも次々と読了。すてきな充足感。
そして、読書に意欲が向かない時期はやってくる。今の時代、本屋へ足を運べなくても出会いのチャンスが減ることはない。
ワンクリックでダウンロードできる気軽さも手伝って「いつか読む本」は積まれていく。
誤算。クラウド本棚は、電源を入れなければ「ない」と同義だった。
テーブルの隅やベッド脇から読んでアピールをしてくることもないから、つい最近買った本ですら、完全に意識からこぼれ落ちている。
その虚無感は、「積ん読」の罪悪感とは比べものにならない。
本は、その1冊を選んだ自分の嗜好と志向と思考の鏡。そこに積まれて「ある」だけで、読めていなくても知的刺激になっているのだと思う。
脳はきっと、タイトル文字を見るたびに何かを感じ、無意識下で信号を巡らせているはずだ。
欲しいと思った本に電子版がない――最近は、それを嬉しく思う自分がいる。
そしてまた、壁一面の本棚への夢を募らせる。
でも現実は、引越し好きの賃貸派。本のスペース問題が解決される日はまだ遠い。
そこで、数年前に電子書籍リーダーを導入した。スタートは大変によい感じ。常に数十冊の本を携帯している状態が楽しくて、ちょっとした移動時間にも次々と読了。すてきな充足感。
そして、読書に意欲が向かない時期はやってくる。今の時代、本屋へ足を運べなくても出会いのチャンスが減ることはない。
ワンクリックでダウンロードできる気軽さも手伝って「いつか読む本」は積まれていく。
誤算。クラウド本棚は、電源を入れなければ「ない」と同義だった。
テーブルの隅やベッド脇から読んでアピールをしてくることもないから、つい最近買った本ですら、完全に意識からこぼれ落ちている。
その虚無感は、「積ん読」の罪悪感とは比べものにならない。
本は、その1冊を選んだ自分の嗜好と志向と思考の鏡。そこに積まれて「ある」だけで、読めていなくても知的刺激になっているのだと思う。
脳はきっと、タイトル文字を見るたびに何かを感じ、無意識下で信号を巡らせているはずだ。
欲しいと思った本に電子版がない――最近は、それを嬉しく思う自分がいる。
そしてまた、壁一面の本棚への夢を募らせる。