白い黒
輪島塗の塗師、赤木明登さんのインタビューを拝見した時、とても印象に残った「白い黒」という表現。
漆には黒と赤しかないけれど、そのなかで彼は白い黒を目指しているのだと。
漆器の底にうっすらと張った液体、のような艶。
黒の中に射す光。光が揺蕩う黒。
行き止まりであるはずの底に、その先が見えるようだった。
白か黒か。
正反対の代表格ともいうべき要素がひとつに溶け合い、美しい調和を生み出す。
そう考えてみて、ふと気づく。その白はどこから現れたのだろう。
すでに存在していた二つが混ざり合ったんじゃない。
潜んでいた白が、黒のなかから引き出されてきた––––。
どんな黒も、実は見えない白を含んでいる。
漆の黒、布の黒、石の黒。
奥行きを、その先を与える光。
それを見つけ引き出すのは、作り手そして使い手の、心なのだと思うのです。
漆には黒と赤しかないけれど、そのなかで彼は白い黒を目指しているのだと。
漆器の底にうっすらと張った液体、のような艶。
黒の中に射す光。光が揺蕩う黒。
行き止まりであるはずの底に、その先が見えるようだった。
白か黒か。
正反対の代表格ともいうべき要素がひとつに溶け合い、美しい調和を生み出す。
そう考えてみて、ふと気づく。その白はどこから現れたのだろう。
すでに存在していた二つが混ざり合ったんじゃない。
潜んでいた白が、黒のなかから引き出されてきた––––。
どんな黒も、実は見えない白を含んでいる。
漆の黒、布の黒、石の黒。
奥行きを、その先を与える光。
それを見つけ引き出すのは、作り手そして使い手の、心なのだと思うのです。