１年間で何千種という野生動物が絶滅していっている。
環境問題がクローズアップされるとともに、この事実は広く知られるようになりました。
そんな地球では、実は多くの「言語」も絶滅の危機に瀕しているのだそうです。

ユネスコが発表した “Atlas of the World’s Languages in Danger“（第３版）によると、世界に存在する2500の言語が危機的状況にあり、日本国内でもアイヌ語を筆頭に８種類の言語（方言）が該当しています。

人は言葉を使って考え、言葉を使って表現します。
言語と思考、どちらが先かは謎ですが、互いに及ぼす影響は大きいはず。
民族性という言い方で括るのはあまり好きではないけれど、同一言語を話すコミュニティによって特有の文化が生み出されてきたのは事実。
世界のどこかで話されている言語がひとつ消える。
それは、ひとつの文化が消滅するということ。

ほとんどの人が一度も耳にしたこともない言語なのでしょう。
どんな音の連なりだろう？
どんなことを表わす単語が多いんだろう？
その言葉を話す人たちは、どんな暮らしをしているんだろう？

広大で多様な命があふれる地球を取り戻すことはできないかもしれないけれど、忘れない人、思いを馳せる人、想像する人が増えれば、形は違えど「豊かさ」は継承していけると思う。
2500の新しい言語が創造された未来があるとしたら、悪くはないと思いませんか？